“デジタルネイティブ”と呼ばれる現代の子どもたちは、低年齢からスマートフォン(以下スマホ)を自在に使いこなしています。スマホを使い過ぎて依存症になってしまったり、ネットいじめや犯罪などのトラブルに巻き込まれてしまったりすることを心配し、利用を制限したいと悩んでいる保護者もいるのではないでしょうか。
この記事では、スマホのリスクから子どもを守るために利用時間を制限する方法を紹介します。
スマホの利用時間を制限する前に知っておくとよいこと
現代の子どもたちはどれくらいの時間インターネットを利用しているのでしょうか?
まずは子どものスマホの利用時間や保護者による管理状況、子どもがスマホを利用するリスクを以下で紹介します。
子どものスマホの利用時間と保護者による管理の実態
内閣府が令和5年2月に発表した「令和4年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、満17歳以下の青少年のうち73.4%がスマートフォンを利用しています。また、インターネットの平均利用時間は10歳で207.1分、13歳で270.3分、16歳で343.5分と、年齢が上がるごとに増える傾向にあります。
こうした実態がある中で、利用制限をしている家庭も多く見られ、「ネット利用を管理している」と回答している保護者も84.9%を占めています。また、実施している具体的な取り組みでは、「フィルタリングを使っている」(43.6%)、「利用してもよい時間や場所を決めて使わせている」(38.9%)が上位となっています。
このように、スマホの利用時間は年齢が上がるにつれて増加する傾向にあります。そしてインターネットの利用状況を把握することやフィルタリング機能を使用するなど、何らかの対処をしている保護者が多くいます。
子どもがスマホを利用するリスク
スマホは、正しく使えばとても役に立つものです。しかし、知識の少ない子どもが利用する際は、さまざまなリスクがあることも把握しておく必要があります。スマホの利用時間が長くなるほど、以下のようなリスクに直面する機会が高まる可能性があります。
・依存症
スマホの利用がやめられず、長時間利用することでその他の活動がおぼつかなくなることや、朝起きられなくなってしまうなど日常生活や健康に支障が出る可能性があります。
・課金
保護者の知らない間にオンラインゲームやアプリなど有料・課金制のネットサービスを利用し、予期せぬ高額請求をされてしまう例があります。
・有害サイトへのアクセス
子どもが偶然アダルトコンテンツや犯罪行為に関わるコンテンツ、出会い系サイトにアクセスしてしまったり、興味本位で調べてしまったりして、子どもにふさわしくないサイトを閲覧・視聴してしまう可能性があります。
・個人情報の流出
偽サイトやアプリで子どもが個人情報を入力してしまったり、SNSに写真やメールアドレスなどを投稿し不特定多数に公開してしまったりすることが原因で、第三者に個人情報を知られてしまう危険性があります。
・SNS上における炎上
SNSに投稿した不適切な表現や過度な発言により、不特定多数のユーザから批判や誹謗中傷を受けるなどのネットトラブルを引き起こしてしまうリスクがあります。
・ネットいじめ
ネット上のコミュニティで無視や仲間外れなど、いじめ被害にあうことや、加害者になってしまうこともあります。他にもSNSや掲示板で悪口や個人情報・写真などが勝手に投稿されるなどの嫌がらせにあうリスクも考えられます。
親子で一緒に考え対策することが一番の方法
インターネットの利用で起こるトラブルは、子どもに限らず、大人の世界でも起こりうることです。保護者も子どものお手本となるべく、インターネットの利用マナーやルールに注意しなければなりません。
子どものスマホの利用方法は保護者が一方的に決めるのではなく、親子で一緒に危険性を理解した上で、適切な利用方法やルールを考え、守っていくことが大切です。それでも子どもがルールを守れない場合は、ツールなどを活用して利用を制限するようにしましょう。
スマホの利用時間を制限する方法
子どものスマホの利用時間を制限するには、OS※や端末に標準で搭載されている機能を利用できます。その他携帯キャリア各社でも子ども向けのフィルタリングサービスが無料で用意されています。それぞれの方法と簡単な操作方法を以下で紹介します。
※2023年3月10日時点の情報を基に作成しています。
※OS(オペレーティングシステム) =WindowsやiOSなどのパソコンやスマホを動かす土台となるソフトウェアのこと
OSや端末の機能を利用する
スマホの利用時間を制限する機能は、OSや端末ごとに異なります。ここではiPhoneとAndroid端末に標準搭載されている機能について簡単に紹介します。
・iPhone(iOS16の場合)
「スクリーンタイム」機能で「Appの使用時間の制限」を設定することができます。その他にも不適切なコンテンツをブロックしたり、「iTunes Store」と「App Store」の購入を制限したりする設定もできます。また、休止時間を設定することもでき、オンにしておくと設定された時間内は許可した通話、メッセージ、アプリ以外は使用ができなくなります。
【参考情報】
iPhoneで自分用のスクリーンタイムを設定する
・Android(Android 13の場合)
「デジタルウェルビーイング(Digital Wellbeing)」機能で、アプリごとの利用状況の把握ができます。また、機能内の「アプリタイマー」で時間を設定することでアプリの利用時間を制限します。
【参考情報】
Android スマホの Digital Wellbeing ってなに? その機能の概要や利用方法を解説
アプリを利用する
Androidには、子どもが使うスマホの機能を保護者が制限できるアプリ「ファミリーリンク」があります。子ども用のGoogleアカウントを作成することができ、アプリをインストールしている保護者のスマホから子どものスマホの利用時間の上限を設定し、アプリごとに利用の許可や時間の制限が行えます。
【参考情報】
Googleファミリーリンク
携帯キャリアのサービスを利用する
携帯キャリア各社が用意している子どものスマホの利用時間や使用を制限する無料のサービスもあります。各社のサービス概要と詳細情報は下記をご確認ください。
【参考情報】
株式会社NTTドコモ:あんしんフィルター for docomo
KDDI株式会社:あんしんフィルター for au
ソフトバンク株式会社:あんしんフィルター
危険なサイトへのアクセスやアプリの利用を制限したい場合は?
セキュリティ対策ソフトの中にも、保護者による以下のような利用制限機能や危険なサイトやアプリから守る機能が搭載されているものがあります。
・アプリの利用制限機能
パスワード、PINなどあらかじめ設定したコードやパターンを入力しなければ、任意のアプリを起動できないようにします。また、あらかじめ設定したカテゴリや個別のサイトへのアクセスをブロックします。
・不正なサイトから守る機能
アダルトサイトや出会い系サイトなどの有害サイトだけでなく、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺などのネット詐欺も防ぐことができます。
・不正なアプリから守る機能
アプリをスキャンし、ゲームアプリやカメラアプリなどを装った不正なアプリのダウンロードを防ぐことができます。
ウイルスバスター モバイル(iOS/iPadOS/Android)は、AI技術でさらに進化した「Web脅威対策機能」で危険なWebサイトへのアクセスをブロックし、ネット詐欺の被害を未然に防ぎます。
また「不正アプリ対策」によって、人気アプリや有名企業を装った不正アプリのインストールを防ぎます。
※「不正アプリ対策」はAndroid版でご利用いただけます。
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[主な機能]※全ての機能一覧はこちら
①Web脅威脅威対策
②不正アプリ対策(Androidのみ)
③SMSスキャン
ルールは親子で話し合い、利用時間の制限はアプリや携帯キャリアのサービスを活用する
スマホの利用は親子で一緒に決めたルールを守っていくことが大切です。どうしても守れない場合は、スマホ搭載されている機能を活用し利用時間の制限ができます。
犯罪などのネット上のトラブルやリスクから子どもを守るために、携帯キャリアが提供するサービスやセキュリティ対策ソフトのフィルター機能も利用しておくと、より安心でしょう。
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